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卒アルあるある?何十年ぶりかに開いたら男友達のウソが解けた話

小学校の卒業アルバム

週末の夜、ふと思い立って、何十年もクローゼットの奥に眠っていた卒業アルバムを引っ張り出してみた。
ずっしりとした重みと、かすかにカビ臭いような紙の匂い。
ページをめくると、そこにいたのは、当時私が密かに思いを寄せていた「あの子」だった。

あれ、おかしいな。

当時の脳内フィルターでは超高画質、いや、美化120パーセントの絶世の美女だったはずなのだが、今こうして客観的に見つめてみると、なんだか普通の女の子だ。
いや、普通というか、むしろちょっと「そうでもない」かもしれない。

私の青春の思い出補正、ちょっと凄まじすぎないか。
当時の教室の光とか、風に揺れる髪とか、ちょっとした会話の楽しさとか、そういうもので私の脳は見事にだまされていたわけだ。
なんだか気恥ずかしいような、でも当時の自分がそれだけ純粋に、熱く誰かを想っていたんだなと、少し愛おしいような、なんとも言えない妙な気分にさせられる。

そんな苦笑いから始まった、数十年ぶりの卒アル鑑賞。
だが、ページをめくるうちに、私はとんでもない「過去のミステリー」に直面することになる。

あいつ、いま何やってるんだろう

指でページをたどるうちに、ある男友達の顔で目が止まった。
そいつのニヤついた顔を見た瞬間、忘れていた記憶の蓋が、パカッと音を立てて開いたのだ。

そういえば当時、こいつに呼び出されて、神妙な顔でこう言われたことがあった。

「あいつ、お前のこと好きだってさ」

あいつ、というのは、さっき私が「そうでもないな」と苦笑いした、あの片思いの女の子のことだ。
当時のピュアだった私は、その一言で完全にノックアウトされてしまった。
それまで何とも思っていなかったはずなのに、翌日から彼女の視線や仕草のすべてが特別な意味を持ち始める。
「もしかして、今の笑顔も俺に向けてくれたのか?」なんて、完全に恋のスイッチが入って、結局、告白もできずに終わった甘酸っぱい片思い。

だが、50歳を過ぎた今、かすんだ記憶の糸をたぐり寄せていくと、とんでもない違和感にぶち当たった。
……待てよ。
結局、あの後にそいつ、その女の子とものすごく仲良くなって、いつも一緒にいなかったか?
いや、それどころか、みんなに隠れて付き合っていたんじゃなかったか。

おいおい、じゃあ、あの時の言葉は何だったんだ。

今になってようやく、点と点がつながった。
あいつの「あいつ、お前が好きだって」という言葉、あれは真っ赤なウソだったのだ。

じゃあ何のためにそんなウソをついたのか。
答えは簡単、自分の気持ちを隠すための「照れ隠し」、あるいは周りにバレないための「煙幕」だったに違和感ない。
「俺があいつを好き」と言うのは恥ずかしいから、あえて私を主語にして彼女の話題を出し、間接的に好きな子の話を身近な私と共有してニヤニヤしていたわけだ。
下手をすれば、付き合っていることをカモフラージュするために、私をカムフラージュの身代わり役に仕立て上げていた可能性だってある。

なんて不器用で、なんて計算高いやつだ。
当の本人は、自分の好きな子の話ができて、後ろでずっとドキドキしていたのだろう。
その真ん前で、私は「俺のこと好きなのかな」と純粋に悶々としていた。

二人の男子が、一人の女の子を真ん中にして、全く違う理由でソワソワしていたあの教室。
何十年も経ってから、まさか友達の恋心の伏線回収をすることになるとは夢にも思わなかった。
なんだか盛大にズッコケそうになるが、不思議と嫌な気はしない。
むしろ、あの不器用なウソが、なんだかとても愛おしく思えてくるのだ。

もう少し、残しておくか・・・

友達の不器用なウソという大発見にひとしきり興奮したあと、ふと我に返った。
さて、この重くてかさばる卒業アルバムを、これからどうしようか。

実は、この夜アルバムを開いたのには理由がある。
いつまでもクローゼットの奥に置いておくわけにもいかないし、そろそろ潔く処分して、身軽になろうかと思っていたのだ。
データ化するという手もあるけれど、きっとデータにしたところで二度と見ない。
だったら、このままゴミ箱に放り込んで、スッキリやっちまった方がマシなんじゃないか。
一瞬、そう思った。

けれど、ページを閉じて表紙に手を置いたとき、どうしても思い切れなかった。
何十年ぶりかに開いたこの一冊が、あまりにも鮮やかに、愛おしい記憶を引き出してくれたからだ。
あいつのウソの謎解きなんて、現物のアルバムが目の前になければ、一生思い出すこともなかっただろう。
そう思うと、やっぱりこの重みごと、手元に残しておきたくなった。

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\ 大人のタイムカプセル /


サマリーポケット

ただの倉庫に預けるんじゃない。
未来の自分へ宛てて、思い出をタイムトラベルさせるのだ。
ついでに、今回気づいた「友達のウソの考察」を便箋に書き殴って、一緒に箱に放り込んでやろうと思っている。

何年後か、あるいは十数年後か。
忘れた頃にまたこの箱を取り寄せて、冷えたビールでも飲みながらアルバムを開く日が、今から少し楽しみになっている。
そのときはまた、今度はどんな懐かしいミステリーが私を驚かせてくれるだろうか。

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